今回のテーマは、頭痛です。
「頭痛」という症状が現れる代表的な病気には、次のようなものがあります。
●こわ~い頭痛
- ・くも膜下出血
- 脳動脈にできた動脈瘤が破裂したり、動脈瘤から血液がしみ出たりすることにより起こります。痛みの程度はいろいろで突然頭をしめつけられるような痛みとか、頭をハンマーで殴られたような痛みなどと表現されることがあります。
主な原因として脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破裂が考えられます。 - ・髄膜炎
- 風邪などのウイルスや細菌が鼻や喉の粘膜から血液の流れに乗って、脳を包んでいる髄膜に感染することにより起こります。発熱とともに"ガンガン"する頭痛が起こり、だんだんひどくなります。
- ・脳腫瘍
- 脳腫瘍の原因は今のところ不明です。腫瘍ができた部位によって、特有の症状が現れますが、一般的な症状としては日を追って頭痛がだんだんひどくなり、吐き気などの症状があげられます。
- ・慢性硬膜下血腫
- 頭部打撲などの外傷により脳の血管が破裂して、硬膜下腔に出血するのを硬膜下出血といいます。これは軽い頭のケガ(打撲)の後、頭痛が持続し、1~2ヶ月後に痴呆、麻痺などの症状が現れることがあります。
- ・その他の脳血管障害による頭痛
- 大きな血管が詰まった場合の脳梗塞では、頭痛が現れることがあります。
以上のように一つの症状から考えられる病気は様々です。特に、くも膜下出血や慢性硬膜下血腫、脳梗塞などの脳血管障害によって頭痛が生じるケースでは、早期の診断・治療が重要であり、MRIによる脳の精密検査が必要となります。(MRIを利用した脳血管造影も必要)
●その他の頭痛
- ・片頭痛
- 20~50歳代の女性に多く、月に2~3回起こります。頭の片側のこめかみから眼のあたりにかけて、多くは脈を打ったように"ズキンズキン"と痛みます。
- ・緊張型頭痛
- 10~50歳代に多く、後頭部から重くしめつけられる痛みが始まり、頭の横や前に広がります。この頭痛は、首・頭の後の筋肉の疲労から起こりますが、頚椎症や頚椎間板ヘルニアが原因となり筋肉の疲労を生じていることも多くあります。この場合、頚椎のMRIにより診断が必要となります。